教えて!クエスチョン

設問は、青森西高等学校、七戸高等学校、大湊高等学校の810人の生徒さんに協力いただいたアンケートに基づいて設定しています。

トリマー講師・浅利美帆さん(青森市・「青森愛犬美容専門学院」)に聞きました


浅利美帆
(あさり みほ)さん
プロフィール

1984年青森市生まれ。
青森明の星高校から青森明の星短期大学幼児保育科に進学、卒業。2年間の会社員を経て、青森愛犬美容専門学校へ入校、2008年4月から同校講師。

Q.トリマーの養成校では、どんなことを学びますか?

 「トリミング」とは犬の入浴、シャンプー、爪切り、耳掃除などの基本的なお手入れの「グルーミング」に、カットを加えた犬の美容技術のことです。
 当校の授業では、はさみの持ち方や動かし方、カットのラインの勉強など、毎日お客様からおあずかりするモデル犬に、実際に触れて勉強することができます。1年目の校内試験では、カット技術の難易度が高いプードルを一人でできるくらいに上達するのが目標です。その日の犬の健康状態を把握する必要があるので、犬の生理や病気についての「獣医学」も学びます。飼い主と話す機会も多いため、接客マナーも勉強し、秘書検定、ビジネスマナー検定にも挑戦させています。
 本校では入学1年目に希望の就職先を挙げ、2年目に希望のサロンや病院にインターンとして実習に通い、先方に認められれば見事内定という、段階を追った就職支援をしています。卒業後は動物病院、ペットショップ、トリミングサロンなどに就職できます。

Q.トリマーになろうと思った動機は?

 子どもの頃から動物が大好きでしたが、ぜんそくのために飼えず、近所の犬を可愛がって我慢していました。中学になって体力もつき、飼えることになって、それはもう飛び上がるほどうれしかったです。近所のおばさんと「犬のカット屋さんになればいいよ」なんて話をするうちに思いが強くなりました。
 私が高校卒業の頃は、トリマーの学校は県外にしかなかったので、働いてお金をためていつか通いたいと考えていました。社会人2年目のときに、青森市に専門学校が開校するというチラシを偶然見つけ、これは逃せないと一期生で入学したのです。

Q.トリマーをしていてよかった、または大変だと思うのはどんな時ですか?

 きれいになったワンちゃんの姿を見て、「見違えるようね」と飼い主の方に喜ばれるのが、この仕事をしていてよかったと思える瞬間です。おあずかりする犬の中には、手入れがされていなかったり、毛が抜けていたりと、飼い主の方に自覚はなくても、動物虐待に近い場合もあります。遠回しに原因を聞いてみると、子どものアレルギーが原因で室内犬を外で飼っていたことなどが分かり、そのような時はできるだけ快適な環境で育てるようアドバイスします。そんなことを飼い主の方が理解してくれたときには、やりがいを感じますね。
 1日におあずかりするモデル犬は平均20~30頭、年末は40頭にもなります。あずかる際には健康チェックをし、病気の場合は、集団感染の危険もあるのでお断りしています。また老犬は体力がないので、カット中にテーブルから落ちそうになったり、入浴で体力を消耗するので、特に気を遣います。
 中には噛む犬や人見知りの犬もいます。噛む犬にはさっと口輪をはめて、リード(首輪の綱)を持つ人、トリミングする人と数人がかりの作業になることもあります。基本的に動く生き物が対象なので、的確な判断力と技術が必要になります。

Q.トリマーの技術を競う機会はありますか?

 はい、「ドッグショー」や「トリミング競技会」などに出場して技を競います。ドッグショーは犬種の保存を目的として「犬種のスタンダードの形」を競う大会で、「ジャパンケネルクラブ(JKC)」主宰のものが全国的に最も規模が大きいです。JKCの大会では犬種を10に分類し、どれだけその基本形に近づけてカットしているか、さらに犬を連れて歩く技術「ハンドリング」で、犬のよさを最大限に引き出すような見せ方を競います。オス・メス別に競い、最終的には1頭の犬が優勝する大会です。
 JKC主催の第30回2011トリミング競技大会では、2009年に続き2回目の「優秀技術賞」(全国2位)をいただきました。何回出場しても緊張しますが、自分の技術を高めるためには大いに刺激になる大会です。

Q.トリマー講師としてのやりがいは?

 生徒のモチベーションを上げるのが難しいです。中学を卒業したばかりの若年者もおり、少し注意されると落ち込んで学校を休んでしまう生徒もいます。トリマーの勉強は実技が中心なので、自宅学習が難しく、長い時間ハサミを握らないと追いつかなくなるんです。トリマーの勉強は、やる気だけでなく継続が肝心。比較的、体育系の部活動などで鍛えられている生徒は反応がいい感じがします。
 昼は生徒の指導がメインで、私自身の勉強は授業が終わってからです。日本でトリマーの師範は20名弱ですが、私の師匠は70代でも現役でハサミを握る数少ない先生で、さらにこの方の師匠が日本で最初に海外からトリミング技術を取り入れた人と言われています。私の師匠が提唱するプードルの美しい形やラインを示した一枚の絵がありますが、鉛筆をはさみだと思って、それを何度も描いて頭にイメージを叩き込むという基本の勉強を繰り返します。
 昔、師匠に言われてもピンとこなかったことが、師匠と同じ道をたどってみて初めてわかることもあります。今、理解できなくてもいずれわかる時がくる、そう思って生徒には授業に臨んでほしいんです。
 犬に機嫌の良し悪しがあっても、犬は吠えるだけです。犬がもし自分だったらと思って、今施術をしている犬がどんな気持ちなのかくみ取れるようなトリマーになってもらえたらうれしい。本校の在校生や巣立って行った生徒が1年後、2年後に成長した姿を見るのが、指導者としての最大の喜びです。

青森愛犬美容専門学院

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