教えて!クエスチョン

設問は、青森西高等学校、七戸高等学校、大湊高等学校の810人の生徒さんに協力いただいたアンケートに基づいて設定しています。

介護福祉士・佐渡拓也さん(むつ市・「いこいの里」/「エール創刊号」掲載)に聞きました


佐渡拓也
(さど たくや)さん
プロフィール

1986年むつ市生まれ。
大湊高校から函館大谷短期大学に進学し、卒業後、社会福祉法人・青森社会福祉振興団・特別養護老人ホーム「みちのく荘」に勤務。現在は同法人の高齢者福祉施設「いこいの里」でデイサービスに従事。

Q.介護福祉士になろうとしたきっかけはなんでしたか?

 若い頃は洋服が好きで、将来はスタイリストもいいなと漠然と思っていました。高校生になって本格的に考え、幼稚園の先生に興味があって函館の短大へ進みました。県外へ出たかったし、函館は修学旅行の時の印象がよかったからです。
 幼児教育科で2年勉強し、保育士と幼稚園教諭の免許を取得。普通であればそこで卒業するのですが、もう1年福祉専攻科で学ぶと介護士の受験資格も取れることがわかったんです。これからは少子化が進み、むしろ高齢化社会なので福祉分野の仕事はなくならないと思い、さらに学びました。
 福祉専攻科では、さまざまな福祉施設の特徴から「サービス計画書」などの現場での書類作成まで勉強し、施設実習もありました。就職の研究をするうち、保育園・幼稚園での男性の採用数が少なく、待遇も介護福祉士の方がよいことがわかり、就職活動は福祉分野に絞りました。

Q.取っておいた方がいい資格は?

 介護福祉士は国家資格で、ホームヘルパーは任意団体が認定する資格です。仕事の内容はどちらもほぼ同じなのですが、介護福祉士は活動範囲が広がり、資格手当がつくので、私はこの資格も取得しました。きちんと学校で勉強すれば8~9割は合格すると思います。介護福祉士の資格を持っている人の多くはヘルパー2級あたりも持っています。
 男性であれば、デイサービスなどでバスの送迎の機会もあるので、大型免許も持っていると便利かもしれません。

Q.佐渡さんの1日は?

 朝は7時半頃には職場に来て、前日の申し送りや1日の仕事の流れ、スケジュールの確認などをし、約20人のデイサービス利用者を迎えに行きます。施設に着いたらお茶を飲んで一息ついてもらってから、体温や血圧測定などのバイタルチェックをして、体調を見ます。その後利用者が交代で入浴している間に、他の利用者はおしぼりやタオルをたたんだり、茶碗をふいたり、塗り絵、貼り絵などをしたりして手先を動かす作業をします。リハビリの必要な場合は、機能訓練をする人もいます。
 午後はみんなで体操をしたり、話をしたり、レクリエーションタイムです。月に1回、必ず行事があり、例えば10月はリクエストに応えて、紅葉見物のドライブでした。11月は「喫茶店」といって、普段のおやつとは異なり、メニューからケーキなどを選べるリッチなお茶会で大好評でした。3時半頃に送っていき、もどってきて後片付け、日誌の記入、翌日の準備をし、今日一日の報告会をスタッフ間でして退所します。

Q.たくさんの利用者との関わりで学んだことはなんですか?
  また、コミュニケーション能力はどうやって身につけましたか?

 福祉分野で活躍する人は「人への優しさ」がなければ難しいと思います。職業人としてどうあるべきかを学びましたし、先輩でもある利用者を敬う気持ちがわきました。お年寄りは大変多くのことを知っていて、だからこそ丁寧に接するのですが、私はもともと誰とでも話せるタイプではなかったので、当初は悩みました。
 コミュニケーションは、正直言って"慣れ"です。私なりのコツをお伝えしましょうか。
 まず、集団の中には絶対話しかけやすい人がいる。自分からポンポン話してかけてくれる人にアクセスするんです。話すのが苦手であればこそ、待っているだけではだめ。勇気を出してやりやすいところからやってみるのも一つの手立てです。
 根っから明るい人っているので、その人を無理にマネしてもだめ。自分にあった方法で、得意なところを磨いていけば大丈夫です。それから、話す相手に興味を持つことです。それがなければ話も続きませんから。

Q.この仕事を続けてこれたのはなぜですか? 
  また辛くなった時のリフレッシュ方法は?

 確かに、やめようと思ったことはあります。私はまだ20代なので体力的にきつくはないのですが、思うようにいかなくて悩むことはあります。
 特に学校を出たばかりの頃は、頭ではわかっていても実際にはできない。こだわりの強い利用者が相手だったりして、こうしなければとがんじがらめになるとうまくいかないんです。学校では基本しか習わないので、例えばおむつ交換でも、現場ではより効率のよい方法を考えなくてはいけません。
 技術的なこともきちんとできないし、人より仕事が遅くて滞ると、「もういいや、逃げちゃえ!」と思うこともありました。でもそんな時、真剣に話を聞いてくれる先輩がいました。そのおかげで私は救われましたね。
 辛くなった時は、ドライブが好きなのでよく行きます。家の裏がすぐ海なので、海や空を見たりして、自然を眺めると安らぎます。もちろん友人と遊びに行ったりしますが、一人の時間も楽しんでいます。

Q.やりがいはありますか?

 利用者の方は認知症だったり、耳が遠かったり、個人個人で対応が異なります。どうすればよりその人にふさわしいケアになるのか、そこが難しい。
 でも、利用者の皆さんから感謝されると乗り越えられるんです。特に新人の時は自分がしてあげたことに直接「ありがとう」と言われるのが、すごくうれしかった。休むと、「この前いなくてさびしかった」なんて言われたりね。 その人の人生の中に私の存在がある、「この人でなきゃだめだ」と言われるような、そういう介護をしていきたいです。「いこいの里」で過ごして楽しかった、面白かったと感じてもらえたら「僕も人の役に立てたかな」とちょっぴり思うんです。

高齢者福祉施設「いこいの里」

デイサービスセンター

〒039-5331 むつ市脇野沢渡向73-1

TEL:0175-44-2690

FAX:0175-44-2691

http://www.michinokuso.or.jp