教えて!クエスチョン

設問は、青森西高等学校、七戸高等学校、大湊高等学校の810人の生徒さんに協力いただいたアンケートに基づいて設定しています。

オーナー・シェフ・笹森通彰さん(弘前市・「オステリア・エノテカ・ダ・サスィーノ」経営/「YELL」創刊号に掲載)に聞きました


笹森通彰
(ささもり みちあき)さん
プロフィール

1973年弘前市生まれ。
弘前工業高校から東北電子専門学校へ進学し、卒業後、仙台・東京、イタリアの有名店での修業を経て2003年「オステリア・エノテカ・ダ・サスィーノ」を弘前市にオープン。2010年同市土手町に「ピッツェリア・ダ・サスィーノ」、同年青森市のA-FACTORYに「ガレッテリア・ダ・サスィーノ」をオープン。

Q.料理人やシェフになるためにはどんな資格が必要ですか?

 専門学校へ行って、調理師の免許を取得してという方法もありますが、私はアルバイト先のレストランから東京、イタリアのレストランでの修業を経て、腕一本で出店しました。ですから、技術があれば保健所に申請する「食品衛生取扱責任者」の資格だけで開業できます。店で習ったことを吸収していけば問題ないですよ。

Q.シェフになるまでの道のりは大変でしたか?

 若い頃からサッカーと車が好きで、イタリアにあこがれがあり、専門学校生の頃イタリア料理店でアルバイトをしたのがきっかけです。20歳の頃に将来設計を立て、3年間は仙台で料理の基本を覚え、その後3年間は東京の一流店で技術、接客を覚え、残りは本場イタリアで修業し、10年後には独立するという計画を着実に実行していきました。
 東京の店でホールの担当をした時、この世界にサービスのプロがいるというのを初めて知りました。イタリア語で「カメリエーレ」というんですが、ホテルマンのような接客技術のプロです。幅広いお客様をおもてなしするには、メインゲスト、ホストの席のセッティング、皿の出し方、言葉遣い、ワインの知識など、たくさんの勉強をしなくてはいけませんでした。いずれイタリアへ行くつもりだったので、東京の店もイタリア人シェフがいる店を選び、語学も積極的に勉強しました。
 大変だと考えればたくさんあるのかもしれませんが、好きな道の勉強なので大変だと思わなかったのが本音です。吸収するのが面白くてたまらない。もちろん、せっかく作ったソースをこぼしてしまったり、テーブルを間違えて料理を運んだりと失敗はあり、落ち込みましたが、また明日は訪れるわけで、失敗は心には留め置いて、切り替えていきました。
 その後イタリアへ渡り、ミシュラン2つ星のレストランなどで修業しました。言葉の勉強はやっておいてよかった。話しかけると、やる気のあるやつだと見込まれて、積極的に教えてくれるんです。シチリアのレストランやミラノのワインバー、東京、仙台の友人からも共同経営の誘いがありましたが、私としては、ゆっくりと自分が100%やりたいことをやれる環境が欲しかった。弘前は生まれ育ったところで、愛着もあり、料理に使う材料も豊富なので、地元出店を決めました。

Q.ダ・サスィーノのこだわりは?

 サスィーノはイタリア語で「笹森」のニックネームです。当店の自慢は、ほとんどが自家製であること。加工品も市販の物は使わず、生ハム、チーズも原材料からの手作り、野菜、フルーツ、ハーブも畑で栽培しています。今年はワインも登場。岩木町に農園があってネッビオーロ、バルベーラ、サンジョベーゼなど、多品種のブドウを試験栽培しています。   
 午前中は犬の散歩の後、スタッフと一緒に畑仕事です。今はランチをやっていないので、店には午後出勤です。すべて一から作ることをモットーに、作る手間暇を惜しまないのがこだわりです。

Q.一流料理店のシェフになるのは、女性だと難しいのですか?

 大きいホテルほど仕事量が多く、鍋やフライパンなど道具も大きく重いものを持っての調理になるので、体力がないと厳しいとは思います。それから女性は体調の変化によって舌の感覚が鈍る時期があると、よく言われますね。大規模な一流ホテルのシェフとなると、比較的難しいかもしれませんが、小さな店でしたら、イタリアでも2つ星レストランの女性シェフも結構いますよ。

Q.店を繁盛させるための工夫はありますか?

 人と同じことをやっていてはだめですね。でも、奇抜なことでもいけない。オリジナルの食材やサービスなど、イタリア料理の範囲の中で、他の人ができないことをしたいと心がけています。
 イタリア料理と創作料理は異なります。例えば醤油やワサビなどを使って日本人の口に合うように作り変えたり、イタリアにはない食材や奇抜な食材を使うのは創作料理。私はイタリアに敬意を評して、正統派のイタリア料理を提供しています。そこはきちんと線引きをしたいと思っているんです。
 私もイタリア料理以外にもいろんな料理を食べますが、見た目はもちろんですが、それ以上にインパクトがある、感動的な味わいを目指しています。
 イタリアは時間の流れが緩やかで、みんな自分のペースを保って暮らしているんです。私も無理をしないことがモットー。2010年に支店を出し、多店舗経営となると、経営者としても忙しい毎日ですが、今はチャレンジの時。一方で長年試験栽培してきたブドウで、今年は自家製ワインの第1号「サスィーノ・ロッソ2010」「サスィーノ・ビアンコ2010」が出来ました。まだまだ目標とするテイストには届きませんが、まずまずの出来で、第一歩かなと思っています。
 今はいろんなことにトライしていますが、理想では50歳くらいまでに店をもう少し小回りの利く小さなものにしたい。私一人でやっていける、自家製のワインを中心に生ハム、チーズなどのおつまみを少し出す程度の店にしたいですね。学んできたことに忠実に、自家製の旬の食材にこだわった、この土地でしか出せない味を追求したい。そしていつかはミシュランの評価もいただき、弘前に住んでいる人がうらやましいと言われるような店にしたいと思っています。

オステリア エノテカ

ダ・サスィーノ

〒036-8203 弘前市本町56-8 グレイス本町2階

TEL・FAX:0172-33-8299

http://www.dasasino.com

営業時間:18:00~21:00

定休日:日曜定休