教えて!クエスチョン

設問は、青森西高等学校、七戸高等学校、大湊高等学校の810人の生徒さんに協力いただいたアンケートに基づいて設定しています。

気象予報士・吉田篤さん(青森市・「アップルウェザー」)に聞きました


吉田篤(よしだ あつし)さん
プロフィール

1970年神奈川県横浜市生まれ。
私立山手学院(横浜市)卒業後、北里大学獣医畜産学部へ進学。同大学大学院修了後、十和田市にある設計・測量の会社に入社。1999年に(有)アップルウェザー入社、2007年気象予報士国家資格取得。

Q.気象予報士の資格はいつ、どのようにして取ったのですか?

 以前は建築系の会社で図面を引く仕事をしていたので、「アップルウェザー」に入社の時点では予報士の資格は持っていませんでした。社長から入社後、出来るだけ早く取ってほしいということだったので、仕事をしながらの受験勉強となりました。
 予報士の合格率はわずか4~6%です。気象の世界は素人ですから、「お天気100のひみつ」なんていう小学生向けのまんがから入り、通信講座を受けながら入社して8年目でようやく合格しました。

Q.仕事内容を教えてください。

 ラジオやテレビで「ウェザーキャスター」として天気予報を伝えるのが主な仕事です。天気予報では日々の予報に加えて、季節の行事や天気に関連した豆知識のような話もしますが、このネタづくりが大変なんです。素材集めは常に必要で、青森県に特化した情報を提供したいと思っています。
 例えば太宰治生誕100年にちなんで、太宰の小説「津軽」に登場する「七つの雪」の話をしたり、嶽きみ収穫のニュースから「トウモロコシの地方別の呼び名」を紹介したり、春分、秋分、大寒などの「二十四節気」の話もよく登場します。天気以外の知識から入る場合もあるので、青森県に関する作物の出来高や消費量などの統計を調べたり、本を読んだりしながら、知恵をしぼります。
 入社4ヵ月目から始まったラジオ出演は原稿なしの生放送で、パーソナリティーとの掛け合いが多かった。たったの3分間ですが、どんな話になるかわからないので、ゆうに1時間分は話せるネタを仕込んでおきました。ラジオは音声のみで、仕事をしながら聞く方も多いので、状況が思い浮かぶようなわかりやすい表現を心がけました。
 2007年に気象予報士の資格を取得してからテレビ出演もするようになりました。ラジオの場合は時間枠が決まっていましたが、テレビは時間が押したり引いたりで流動的です。その中で、天気図などの画像を見ながら要点をまとめて話すのにはコツがいります。

Q.どんな風に予報するのですか?

 まずは、観測データをもとに各種予想図(20種類以上)を気象庁のスーパーコンピューターがはじき出します。それから青森地方気象台が1日3回、5時、11時、17時に予報を発表します。昔は天気図3000枚を手書きして一人前だと言われましたが、今はパソコンの画像をどれだけ読み込めるかにかかっています。天気というのは、コンピューターでは測れない、その土地の"クセ"みたいなものがあるので、そのデータをもとに独自のノウハウを加えてお知らせするわけです。  
 当社では、青森県のみの詳しい天気予報をお伝えしています。青森は秋田、岩手、函館の天気を一気に引き受けたような天気で、三方が海だったり、山脈に囲まれていたりと、地形的な影響が濃く、津軽では晴れていても南部ではヤマセ(オホーツク海気団から吹く冷たく湿った北東風)が吹いてなどと、相反する天気が混在し予報がしにくい。予報士泣かせの土地柄だと言われています。

Q.新聞、ラジオ、テレビ以外での天気予報はあるのですか?

 気象条件の悪くなりやすい土地で、農業、漁業、採掘など屋外作業のある企業から個別に依頼を受けることもあります。雨風の強い日でも採掘しなければならない時、大きな機械が倒れて大事にならないよう、どのタイミングがいいのか詳しい気象情報が求められます。養殖ホタテの採取の場合は、全国では予報されない「むつ湾の波の高さの予報」が必要だったり、また、リンゴの農薬散布の後に大雨や強風がくれば、1回数百万円もかかる薬剤の効き目が薄れるので、詳細な天気予報を求められることがあります。

Q.気象予報士の仕事の大変な部分と、やりがいは何ですか?

 天気は地球が回る限り変動するので、それに付き合う形になります。以前は朝の4時、5時に情報提供が必要なお得意さんもいて、きつかったですね。私も寝坊でラジオに穴をあけそうになったことがあったので、朝に強い方が向いています。気象予報士は規則正しい生活をして健康でなくては、きちんとした予報ができないと思います。
 また天気は時々刻々と変化していき、予報を出す時間は決められているので、「うーん、明日の天気は曇りかな?晴れかな?」と悩んでいてはきりがない。決断力が必要です。
 なぜに気象予報が必要か? それは確かに商売上の売れ筋商品を予想したり、農業など屋外での作業効率を考えるためだったりもしますが、究極のところ「自然災害から身を守るため」なんです。前もって人命に関わるほどの悪天候になるとわかっていれば、対処はいくらでもできるはず。私は防災士の資格も持っていますが、「災害」が起きる前にそれを予想し、その予測情報を伝えて、警報や避難勧告などで呼びかけることで、自然災害から皆さんの身の安全を守っていきたいと考えています。
 「風が吹けば桶屋がもうかる」のことわざではありませんが、天気が荒れると気象予報士は忙しくなります。でも、たまに「運動会を晴れにしてくれてありがとう」なんていうお子さんからの可愛い手紙にもホッとさせられるんですよ。

(有)アップルウェザー

〒030-0965 青森市松森1丁目3-2

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FAX:017-765-3765

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